寂しいときこそ運動してみる

寂しいときや悲しいとき、何もやる気が起きなくなります。そのまま寝てしまうのもいいし、気分転換に音楽を聴くのもいいかもしれません。一時的な寂しさならば、程なく気分は回復するでしょう。でも、回復しそこねると、どんどん落ちこんでいってさらに何もやる気が起きなくなってしまいます。これが長期間続くと、もはや回復する為の気力も、きっかけも見つけられなくなってしまいます。私もそんな時期がありました。そのときは、仕事に行こうが、音楽を聴こうが、何をしていても寂しさからは逃げられず、夜もあまり眠れません。これがうつなのだろうと思いました。唯一、眠るために見つけた方法はドライブでした。夜眠れないときは、車に乗ってドライブです。でも、楽しむ為のドライブではなく、運転して疲れて眠くなって寝る、という感じです。すっきりするわけでもなく、翌日もだるい感じです。眠れないある夜、こんな日々がずっと続くのか、「ちきしょう」と思いました。そう、畜生です。この気持ちは、寂しさとは違う怒りの感情です。寂しさが「静」なら、怒りは「動」のエネルギーです。ほとんど、やけくそな気持ちで、外に走りに出ました。運動もろくにしていない時期で、すぐに走るのもつらくなるのですがそれでも、「ちきしょー」と思い、走りました。走り終わると、不思議なもので、疲れているはずなのに、気分は悪くないのです。車の運転で疲れるのとは、まったく違う疲れだし、気分もまったく違います。それから、私は、この「ちきしょー」という気持ちを大切にしています。この気持ちがうつな気持ちから抜け出すエネルギーになるのですから。
寂しい気持ちや悲しい気持ちが、もしそれがプラスのエネルギーにできるとしたら、素敵なことです。なんせ、寂しさ、悲しさなど、たくさんあって、それが自分のためになるのです。今でも、寂しい、悲しいと感じたときは、「ちきしょー」と思い、それをエネルギーに体を動かすように心がけています。必ず、気分はよくなります。
後で知ったのですが、「うつの運動療法」というのがあります。実験の結果によると、抗うつ薬より、運動のほうが即効性があったり、うつの再発率が低かったり、睡眠の質が向上したり、うつの予防的効果もあったりとよい事が多いようです。寂しさ、悲しさで落ち込みそうになったときは、ちきしょー、落ち込んでたまるかー、という気持ちでプラスのエネルギーに変換して乗り切ってみるのもよい方法です。