怒って会社を辞めた人の話し

うつ病というと、気分が落ち込んでとにかく暗くなってしまう。そんなイメージしかありませんでした。会社で「アンガーマネジメント」のセミナーを受講し、入社したころの同期の事を思い出しました。
その彼は、体は大きいのですが、とてもおとなしく、まじめで、いつも小声で話すタイプで、半年ほど寮の二人部屋で一緒にすごした仲でもありました。とてもまじめだった彼が、あるとき、会社を出て行くときに、椅子を思いっきり蹴飛ばし、さらに、自販機に蹴りを入れて出て行ったのです。何が起きたのかと、一瞬、社内は騒然としました。そして、その翌日、遅れて出社した彼が、上司に呼ばれたときに、なんと、上司に殴りかかろうとしたのです。周りの人がとめたため、大事にはなりませんでしたが、後日、彼は退職届を机の上に置いて、そのまま連絡がつかず、会社には来なくなりました。
どうやら、上司に仕事をいろいろ押し付けられて、それが気に入らなかったようなのです。
うつ病でも、男性の場合、女性よりもイライラや攻撃性が多く見られるといわれています。このときは、うつ病の知識は無く、ただ、おかしくなってしまったんだろうか。くらいにしか思えれませんでした。
もし、彼が、「アンガーマネジメント」のトレーニングをしていれば、結果は変わったかもしれません。
「アンガーマネジメント」とは、怒りを自分でコントロールすることをいいます。
「怒り」はとてもやっかいな物に思います。じわじわくる怒りは、まだ頭で考えれる時間があるので、コントロールできそうですが、瞬発的にくる怒りは、頭で考える理性を通り越して、言葉や、動作にでてしまうからです。その言葉や、動作は、間違いなく廻りを傷つけ、そして残るのは後悔のみです。けっしてすっきりして気持ちがよくなるものではありません。
彼も一気に凶暴になったわけでは無く、毎日の怒りがどんどん積み重なって、最後にあふれてしまったに違いありません。まずは、毎日の小さな怒りをコントロールする必要があります。
怒りを感じたときに、後で、なぜ、どうして考えることによって、段々怒りがコントロールできるようになるのです。セミナーでは、スマホのアプリで、「瞬間日記」というものが紹介されました。怒りを感じたらその内容を日記にして、後でなぜ?を考えるんです。日々のストレスを少しずつ解消していくのは大切なことに思います。あふれた時には、もう、戻せないのですから。