目的を持つ大切さを知る

忙しいときは、毎日帰宅するのは23時や24時なんていうのは当たり前です。家に帰れば、ご飯を食べて風呂に入って寝るだけ。もはや、生きるために仕事をしているのか、仕事をするために生きているのか分からなくなります。仕事をこなすことが精一杯で何が目的かすらもわからなくなってきます。
あるとき、ちょっとした知り合いから、一緒に仕事をやらないか。と誘いがありました。このまま今の仕事をすることにいろいろ不安もあったし、誘ってくれたこともうれしく、とても興味がわいてきました。
仲間に会わせたいからと、マンションにある事務所につれていってもらうと、駐車場には高級車が並んでいます。誘ってくれた人も外車を乗っているし、なにやら金回りのよさそうな仕事のようです。
事務所には、20代~40代くらいの人達がが8人くらいが集まっていて、仕事の説明をしてくれました。いわゆる「ネットワークビジネス」でした。
「ネットワークビジネス」は簡単に説明すると、人と人のつながりによって商品を販売していく方法です。おもしろいのは、自分が紹介した人が商品を購入すると、その何%が自分の収入になり、また、紹介した人がさらに別の人を紹介してその人が商品を購入すると、また、自分にも何%が手元にはいる。そして、ピラミッドの頂点に立てば、最後は何もしなくても収入が得られると言うのです。
当時、「ネットワークビジネス」というのを知らなかったこともあり、その斬新な収入の仕組みや、がんばっただけ、自分の収入につながり、さらに最後は仕事をしなくても収入が得られるなんて、まるで夢のよな仕事に思えました。目の前に、月収何百万の人が8人もいるのですから、やる気もおきます。
会社に入社してから、先のことを考えてわくわくする事など一度もありませんでした。将来こんな風に仕事をして、こんなサラリーマンになって、こんな生活をして・・。実際は、日々の仕事をこなすだけで、消耗していくような日々、先の事など考えるわけでもなく、目的もなく。ただ、それは普通のことで、それを疑問に思ったことすらありませんでした。でも、この「ネットワークビジネス」をやろうと思い、何度も事務所に通った時期は、将来の事も考え、目的があって、とても「わくわく」していたのです。そのときに気がつきました。普段「わくわく」しないのは、仕事が忙しいからではなく、仕事が厳しいわけではなく、ただ、目的がまったく無かっただけなんだと。少なくてもこの時期は、平日は仕事をこなし、土日は、事務所に通ったりしていて、普段よりも忙しかったにもかかわらず、「わくわく」があったのですから。
しかし・・・・
理想どおりには行きません。程なくして「ネットワークビジネス」の難しさを知り、あきらめることになりました。ただ、「目的を持って生活をすること。」の大切さを実感した出来事でした。