井の中の蛙の幸せ

入社して2年で退社した同期の旧友と久しぶり会う機会がありました。ここのところ、お互い都合が合わず、5年ぶりです。居酒屋で待ち合わせをして、久しぶりに再会だったのですが、ひげをはやして、髪の毛は伸ばし放題、色黒になって、体はごっつくなり、その風貌はまるで冒険家、少し間違えたら浮浪者。話しを聞けば、休みが多くて残業が無い仕事を探して何度か転職をして、身だしなみもあまり気にしなくて良い、自由な会社に就職したとのこと。やりたい仕事や、やりがいの有る仕事を探したのでは無く、休みが多い会社を探した・・。それだけ聞くと、仕事に対してやる気が無い、怠け者なのでしょう。と思うかもしれませんが、彼らしい幸せの見つけ方だったのは、彼の楽しそうな笑顔が物語っています。さて、幸せな生き方ってどんなイメージ?そんな内容の会話になりました。私はそう、やっぱり愛だね。好きな人と一緒になって子供と一緒に生活して、それで、お金を稼いで、愛の有る家族とすごす事かな。彼は言います。それができることはすごい事だね。でも、もったいない。世界は広いのに、井の中の蛙だね。そして楽しそうに海外の写真を見せてくれます。彼はお金をためると、一人でふらっと海外へ旅行をするのが趣味、いえ、生きがいのようなものかもしれません。なので、給料は安くても自由がきく仕事を探していたんです。彼が2年で退社したのも、忙しすぎて、生活を犠牲にしてまで仕事をする事が納得できなかったに過ぎません。海外に友人ができるにつれ、日本人の仕事のしすぎにますます疑問をもったといいます。中東はなぜ戦争が多いのか、そんな思いから今度は中東に旅にでる計画を立てているそうで、言葉なんて分からなくても何とかなると、それ自体も楽しんでいる、そんな彼が少しうらやましく思えました。いえ、私がうらやましく思ったのは、自由な会社でもなく、海外に行く事でもなく、彼は明確に幸せの見つけ方を知っていて、自分の力でそれを得ている事なのです。私は愛などと目に見えない不確実な、また、自分の力だけではなんともならない他力本願的な物を幸せとしようとしているのですから。しかし、楽しい人といると楽しい。だから、今日は楽しかった。
「井の中の蛙大海を知らずされど天の高さを知る。」