15年も会っていなかった知り合いと、飲みに行く機会がありました。昔話に花が咲くのですが、いかんせん、昔の話なので、記憶が曖昧です。話しを聞いていると、いままで一度も思い出したことが無い事も、ぼんやりと思い出したり。逆に、記憶とはまったく違う話が出たり、まったく覚えていなかったり・・。不思議な感覚になりました。はたして、過去とはなんなのだろうか。この人と、私の過去は本当に同じなのだろうか・・。以前、素粒子の世界で、未来が過去に影響を及ぼすという記事を思い出しました。今が未来に影響を及ぼすのは分かりやすい話です。未来が過去に影響を及ぼすとは・・・その記事を読んだときはまったく理解できませんでしたが、ひょっとすると、未来が作られるように、過去もつくられるということなのでは、と思いました。そこで、以前みかけたもう一つの記事です。世界五分前仮説です。これは、「世界は実は5分前に始まったのかもしれない」という仮説です。まったく理解できない話しですが、哲学における思考実験のひとつで、バートランド・ラッセルによって提唱されました。でも私たちには5分前の記憶があります。でもこの思考実験では、5分前に私たちが過去の記憶を持ったまま、世界が作られたとしたならば。という前提があります。もしそうだった場合、それを否定する事ができません。いかんせん、生きたきた証は記憶しかないのですから、周りの物と、記憶がセットで作成されたのならば、何が本当なのか調べる基準もなくなってしまいます。世界五分前仮説は究極のお話ですが、過去を証明することは不可能な事なのかもしれません。過去は変わらない・・。それは当たり前の事だと思っていますが、ひょっとすると、未来がたくさん枝分かれしているように、過去もたくさん枝分かれしていて、今この瞬間、過去も変わっているかもしれません。本当はもっと大変な過去があったかもしれませんし、もっと素敵な過去があったのかもしれません。今、この瞬間に過去が変わっているかも・・・。もちろん、それは誰も証明できないことですが・・。今、いいことを考えて、いい行いをすれば、過去も未来も良くなる。そう思いたいものです。